録画:
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標準画質
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やや高画質
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(Google Chrome)]
注:始めの38秒は音がありません. (マイクの電源OFFに気がつきました)
参観していただいた先生方 42名!
はじめに
多忙のなか, 参観してくださった先生があまりに多く,「他の先生の講義を見てみたい」という思いの大きさがわかりました.
これは電通大の先生方の向上心の現れに違いありません. 率直に申し上げて, わたくしには これが一番の嬉しい驚きでした.
お詫び:あろうことか 開始時刻を間違えて, 数分間 遅刻してしまいました. 申し訳ありません. (10分間違えての 10分前集合)
(緊張と冬休みボケ があったと思います. 火曜3限と水曜2限(10:40)に同じ科目を担当しており, 混同もしました.)
(普通の授業の)公開授業 は初の試みだと伺いました. ここに書くことが 次回以降の講演者と運営面での参考になれば幸いです.
多くの先生方から「他の人の講義を聞いたことが有意義だった」との感想を伺いました.
中村淳 先生(大学教育センター)より:
「先生方にアンケートをとる, という話がありました」 (後日: 実施されていることを知りました)
とっていただいたらよかったと思います. もし実施していたら, 用紙は足りたのでしょうか.
先生方がどんな感想をお持ちか, 良い点でもご批判でも(大抵は, 批判の方が有意義)伺ってみたい と思います.
小田 先生(ご専門:画像情報圧縮 など):
「固有値と対角化」の専門分野での応用例 と 上級生が学ぶ "数学としても高度"なお話
を聞かせて下さり, 教科書を紹介していただきました.
前者は, 例えば jpg ファイルの圧縮に 固有値を使うそうです. (その原理は想像できると感じました)
後者は, ヴァンデルモンド行列(線形第一で登場)を用いた 特殊な行列の 鮮やかな 対角化など. 私は 知りませんでした.[↓下記(数学教室)]
高校数学から 行列 が消えることについて,
「出前授業などの原稿を修正しないといけません」と言われました. 意外な 効果 でした.
大野 先生(ご専門:代数幾何学): 数学に関すること以外で
問:参観する先生方のために 復習や科目紹介に余計な時間を割きませんでしたか? 回答:確かに少しありました.
授業は あくまでも通常通りに行って, 授業とは別に 例えば 工夫点や心がけ などを解説するような企画がよいのかも知れません, とのことでした.
椿 先生(ご専門:統計科学, 教育工学 など): 統計学を駆使して 教育の向上を目指す研究をされています.
数学の授業方法に関して, 難しめのご質問をいただいて 回答に窮しています. 少し自己分析が必要です. しばらくお待ち下さい.
質問1: 受けてきた講義 と 行なう講義 の違い, そこでの工夫. 質問2: 工学的応用への言及 など.
小山 先生(ご専門:偏微分方程式の数値解析 など): 「先日はお疲れさまでした」と声をかけていただきました.
このとき, 参観していただいた先生の名簿が見たいと思いました. 当日は、面識のある先生が味方に思え、感謝に思いました.
時間が経つと、専門の近い先生の感想の方が気になりました.
教務課: お願いして, 参観していただいた先生方のリストを受け取りました. 何かの機会には, 感想を伺ったり感謝したりしたいので.
山田祥之 先生(ご専門:キャリア教育): わたくしと同じ Y.山田 で アドレスが似ています. mail で初ご挨拶.
キャリア教育の先生方は、専門の先生方が基礎教育の授業を見学されるのとは 少し視点が異なるようです.
授業の後 集まって何か議論されたそうです.
阿部 先生(大学教育センター): いくつか感想をいただいた上で
例えば 板書の字が, 良すぎて真似できないレベル でない のが良かった. うまい言い方(笑)に感謝いたします.
久藤 先生(ご専門:大域解析学 など): 時間配分が奇跡的だった, というコメントをいただきました. (板書が多い という含みあり)
中村仁 先生(ご専門:固体物性 など)[共通教育(物理)]:
「板書量が多く、学生がついて行っていないというタイミングで配布物に切り替わることに「なるほど」. 配布のときに ノートの様子を確認できる.
「睡眠予防」に効果的」
「(思いのほか)学生が最後の演習問題で頑張っている. 」 むしろ 学生を観察されていたことが伺えます.(共通教育の視点ですね)
「量子力学ではまさしく固有値問題が重要ですし、化学でも sp混成軌道 などを考える際に、混成前の軌道の 線形結合 を考え...
その混成の度合いは これまた固有値問題です。」
メイルをいただいて sp軌道 を復習しました.
“炭素のsp3混成軌道”が, わたくしの「正規直交化」(4次元)の練習問題の答 と対応していて, 個人的に幸運を感じました.
炭素 に感心. あの角度 109.5度 って, 測定値ではなくて Cos-1(-1/3) ですね
数学教室:
小田先生からご指摘の対角化について、特に 石田先生と伊東先生がご存知で、他の先生も「見覚えがある」でした(お恥ずかしい)
定理の拡張を議論. 1年生に教えてみるとすれば... など. それぞれ 古き良き教科書 を持ち寄る事態.
後ろに先生方が大勢 参観されていたせいか, 特に いつもなら 強い態度で学生に伝える言葉 がうまく出なかったように思います.
「私は解答例は配りません」[38:50] の後に 「解答例を覚えること は数学ではないし, まったくもう 学ぶこと ですらないからです」と いつもは(当然なので)堂々と言うのですが, 言えませんでした.
「苦手でも嫌いでも構いません. でも『できない』ではダメなんです 不合格なんです. 今日はとにかく, 時間内に 対角化を経験してもらいます. 計算ミスはしかたないですが, できれば 正解に到達して下さい. 応援します. 『知りません』とか『忘れました』とか言わせません. これは必修科目担当の意地です.」
正方行列の 大事なデータの1つ としての "固有値の最大値" に時間内に触れられなかった
のが悔やまれました. 行列の対角化は 実は一意的ではありません.
「固有値を並べる順序は自由です. が, 最大固有値 と 固有値の符号の配分 は, 正方行列にとって 行列式に次ぐ 重要データです.」
例年, 学生が対角化を完成して答え合わせを始める頃に この質問が出るので, それに応じるときに話すのですが, 今回の公開授業では 時間が足りませんでした.
板書:大教室の黒板でこの失敗をしたのは久しぶり
行列A の対角化が完成する前に黒板を使い切ってしまい 行列A を消す(涙).
連絡を最初にいただいたの(事前の打診)は 11月中旬でした. その返信に「1月7日予定の『固有値と対角化(初回)』が適していると 思います. 」と回答しました. この内容なら、多くの先生方になじみのあるテーマなので, いろいろな反応・ご意見が伺える, と思ったからです.
授業を参観していただく先生方のために[資料]を作りました. 内容は, 「前の回までのあらすじ」「科目の特徴」など. ついでに重要連絡
(自分で勝手に)柳井先生に連絡して、K課程の授業配信システムでの録画をお願いしました. 12月末には中村先生にそのことを伝えました.
学内に向けた 公開授業の案内メール は以下のようでした. ほめすぎ です. 記念にコピーしました.
ただし, アンケートをとった前学期の科目「線形代数学第一」は 電通大生の得意な科目で
アンケートは良くなります. 実は「線形代数学第二」はそれと正反対の科目です.
同じ授業をしても, なぜかクラスによって授業の雰囲気が違います. アンケートのクラスと公開授業のクラスは違うクラスでした.
(大教室は, 教員と学生が遠いせいか, 反応の少ない静かな授業になりがちです. 時間帯の影響も大きいです.)
通年で同じクラスを担当すると効率が良く, 雰囲気がよくなります.
しかし, 時間割の構成に余裕がなく, 常勤教員を通年担当に配置するのは無理です.
最後が愚痴で すみません.
公開授業を行なったクラスの状況 :
当日の聴講学生数は 63名.(平均は70名) 遅刻した学生が 途中入室しにくい?
登録者数: 現役1年生 60名、再履修者 24名(ほぼ 最多クラス)
最近読んだ 西内啓 著「統計学が最強の学問である」で, 驚いたことの1つに次のことがあります: 統計によって, 本質的な原因がわからなくても問題を解決できることがある. 昔のイギリスの話. 都市で感染症が流行した. 原因がウィルスであることは当時まだわかっていない. 2つの水道会社AとBで 発病者数に大きな差があることが統計でわかった...
椿先生には, 10年くらい前から 山田の数学の授業が良い,見てみたい と言われていました. 今までは, そう言われても照れるだけでしたが, 今回は自己分析も含めて考えてみました. そのやりとりから わかったこと. 椿先生が 山田の数学の授業が良い とお考えになった理由. ご自身の確率統計の授業を良くするために どうしたら良いか, といろいろ学生に聞いてきたところ, よく名前が出て来たのが山田だった そうです.
根拠は 統計 でしたか! 専門家おそるべし です.
自分が大学1年生のとき, 最も困った(でも 楽しめた)のは 化学 だったのを思い出しました. 化学結合を説明する根拠の1つとして量子力学が含まれるため、数学の一部
・多変数関数(スカラー場)
・偏微分
・直交関数 [関数の 積の積分を 内積 とみなす]
(エルミートの多項式、ルジャンドルの多項式、...)
・母関数
・固有値
・空間の極座標
・ベクトル解析の一部
などを, 数学で 詳しく学ぶより先に, 即席な説明で納得しなくてはならなかったことを 覚えています.
サイエンス全部のガイダンス のようでした.
ただ, あの科目のおかげで 自分も同級生も 自分が何に興味があるか わかり始めた気がします. 懐かしい.
K課程(夜間主)で導入され活用されているもので, 柳井先生(ご専門:メディア情報学)が管理されています.
あくまでも社会人学生に対する補助的なサービスとして です.
[K課程 講義配信のサイト]
プロジェクタ や 資料 との同時閲覧も可能な, 優れたシステムです.
わたくし(山田)自身は 月曜7限「応用幾何学」で利用しています.
自分(数学教室)のサイトから映像を配信する方法についても教わりました. ありがとうございました.