卒研生・院生を対象とした、名取研のオープンセミナーです。
毎回、若手・気鋭の研究者を中心にご講演いただきます。
他研究室の学生さん、教職員の方の御参加も歓迎いたします。
次回はの開催は未定です。
お問い合わせ:中村淳(世話人) / 名取晃子


電子工学科に戻る   中村淳の部屋へ戻る  名取研に戻る

第19回名取研オープンセミナー

講師:清水 共 氏
   筑波大学大学院物理工学系博士課程
日時:2005年5月20日(金)16:30-17:30
場所:西2号館105号室
題目:第一原理計算による超薄膜Al/Si界面の誘電特性


第18回名取研オープンセミナー

講師:堀内 繁雄 博士
   韓国電気研究所 招聘研究員
   (元)科学技術庁無機材質研究所 特別研究官
日時:2004年9月28日(火)15:00-16:00
場所:西2−106
題目:原子の世界で先端材料を探す
概要:透過型電子顕微鏡(TEM)は物質のミクロ構造の観察手段をして
広く用いられています。最新のTEMを使えば、原子を見ることも比較的
簡単にできます。本講演では、TEMを用いて新しい先端材料を探した
研究の中から、次の2つについてお話しします。
(1)TEMの原理(鏡体、結像)およびTEMで原子が見える理由を説明します。
   TEMの高分解能化のために超高圧TEMが有利である理由を明らかにし、
   超高圧TEMで我々が試みた実験について述べます。
(2)高分解能TEMを用いて、どのようにして新しい先端材料を探したかを、
   準結晶、超硬質材料、炭素材料などに関係した実際の例について紹介します。


第17回名取研オープンセミナー

講師:小林 士朗 博士
   旭化成株式会社
   研究開発本部 情報技術研究所
日時:2004年8月3日(火)15:00-16:00
場所:西2−101
題目:デジタル信号処理LSIの開発:ブロック浮動小数点技術を用いた短期間開発
概要:デジタル信号処理は、例えば音声や画像の圧縮伸張、変復調、雑音除去、
音声/画像認識などの機能を実現し、不可欠の基本技術として情報化社会を
支えている。しかし、デジタル信号処理の実装には一般的なソフトウェア知識
の他に有限語長効果の理解やその影響評価が不可欠である。そのため、技術者
の数が少ないとか、実装に時間がかかるという現実的な問題がある。本講演では、
ブロック浮動小数点技術を用いたデジタル信号処理アプリケーションの短期間
実装手法について紹介する。合わせて、高性能LSI開発を短期間で開発する為の
ラピッドプロトタイプ型協調設計手法についても紹介する。


第16回名取研オープンセミナー

講師:門平 卓也 氏
   東京大学大学院工学系研究科
   科学技術振興事業団CREST研究員
日時:2004年5月10日(月)15:00-16:00
場所:IS棟113
題目:Au/Si(111)-(√3×√3)R30°表面構造の研究
概要:Au/Si(111)-(√3×√3)R30°表面は、表面科学の誕生と
ともに研究されてきた系ですが、もっとも基礎的な知見である表面
原子配列さえも 確定していません。これは、次の2つのことに、
あまり注意を払わずに構造解析が進められてきたことに大きく
起因しています。
1:この表面が基板温度やAuの吸着量に依存して、√3×√3周期
を保ちながら表面性状を変化させること
2:その性状が整合領域と非整合領域が混在した非常に複雑な
ものであること
今回は、上記2点を考慮した上で、Au/Si(111)-(√3×√3)R30°
表面原子配列を調べた結果について発表します。


第15回名取研オープンセミナー

講師:高井 まどか 博士
   東京大学大学院工学系研究科講師
日時:12月1日(月)15:00-16:00
場所:図書館新館3階グループ学習室1(350号室)
題目:ヘルスケアチップ用マイクロバイオセンサーの創製
概要:医療現場において、病気の早期診断に用いられているバイオセンサー。
最近では、より小型化された数種類のバイオセンサーを1つのチップに集積化した
高機 能バイオチップの開発、生体内埋め込み型マイクロセンサーの研究が、
低侵襲治療へ向けて進められている。マイクロ医療分野へ展開しているマイクロ
バイオ センサーは、より微量の血液検体から、高感度で安定性に優れた分析が
求められている。本講演では、ヘルスケアチップに用いるマイクロバイオセンサーの、
高感度分析に必要な機能性マテリアルについて紹介する。

第14回名取研オープンセミナー

講師:田中 倫子 氏
   東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻修士2年
日時:11月25日(火)14:00-15:00
場所:西2号館106号室
題目:ナノスケールコンデンサの静電容量の第一原理計算
概要: 本研究では、合田らによって開発された散乱理論を基にした第一原理計算手法[1,2]を
用いてナノスケールコンデンサの静電容量を評価した。静電容量は、電極間距離を狭く
するとはじめは古典電磁気学から得られる値より大きな値を示し、極端に狭くなると
急激に減少した。また、電極内部の電子密度を変化させると、静電容量の値が変化する
ことが明らかになった。古典電磁気学から得られる静電容量は、電極種に依存しないと
考えられているため、この依存性は特筆すべき点である。計算はジェリウム電極モデル[3]と、
電極表面原子構造を陽に取り入れたモデル[4]の二種類で行い、静電容量は原子構造に非常に
敏感に変化するという事も分かった。以上の振る舞いは全て量子効果で説明できることが
分かり、講演では以上の研究結果を紹介する。
[1] Y. Gohda et.al., PRL. 85, 1750 (2000).
[2] S. Furuya et. al., JJAP. 41, L989 (2002).
[3] M. Tanaka et. al., JJAP. 42, L766 (2003).
[4] M. Tanaka et. al., submitted to Trans. MRS-J.

第13回名取研オープンセミナー

講師:長谷川剛 博士
   物質材料研究機構ナノマテリアル研究所 アソシエートディレクター
日時:10月16日(木)15:00-16:30
場所:西2号館106号室
題目:原子スイッチ(固体電解質を用いたナノスケール機械スイッチ)
概要:私たちは、一方の電極に固体電解質を用いることで、ナノスケールの機械
スイッチを実現した。サイズがナノスケールになったことで、機械スイッチであ
るにも係わらず、現在の電子デバイスを凌駕する特性を発揮しうることが分かっ
た。開発したスイッチは、固体電気化学反応を利用して、ナノスケールの電極間
において金属原子架橋の形成と消滅を制御することで動作する。この金属原子架
橋は量子化コンダクタンスを示し、その制御も可能である。このため、量子化コ
ンダクタンスを利用した新たなデバイスの創製にも期待が持たれている。現在、
製品開発を目指して企業との共同研究も進めており、それらを含めて紹介する。

第12回名取研オープンセミナー

講師:Dr. Vesselin Tonchev
   Research Associate, Institute of Physical Chemistry-Bulgarian Academy of Sciences
日時:9月25日(木)14:00-15:00
場所:西2号館201号室
題目:Models of Step Bunching: "Classical" and New Scaling Results
概要:
Models of step movement on vicinal surfaces are reminded and the "classical" (size-) scaling
for step bunches is considered in brief. Then is introduced the idea ofuniversality classes
in bunching phenomena and new model results on the size- and time-scaling for bunches are
reported. In the summary are outlined some challengesboth for theory and experiments.


第11回名取研オープンセミナー

講師:Dr. Hirofumi Tanaka
   Researcher, The Pennsylvania State University
日時:7月10日(木)15:00〜16:30
場所:図書館新館3階グループ学習室1(350号室)
題目:自己組織化で得られる単分子多層膜を利用した新リソグラフィー法 = 分子定規法
概要:
これまでに我々のグループにおいて、従来のリソグラフィー技術と自己組織化の
化学的プロセスを組み合わせることにより、構造物の間に精密にナノメートル
スケールでギャップを作製する方法が開発された(1)(2)。この方法は化学的な
プロセスにより金属―有機物を必要な膜厚まで交互に配向・積層させた3次元的な
分子レジストを利用することにより可能になった。この自己組織化した多層膜を
「分子定規」として利用することにより、精密な構造制御を行うことが可能なのである。
本研究では、まずポリスチレンの球を通常のリソグラフィーに使うマスクの代わりに
使用し、親構造を作製した。このポリスチレン球(直径400nm)を1層だけ細密充填で並べ、
金をその上から蒸着しこの球を取り去ることにより三角形のナノドットが得られる。
この三角形の金ドットを親構造とした。MHDA(16-mercaptohexadecanoic acid)と
Cu2+ イオンの多層膜は金の上にのみ選択的に成長する。自己組織化単分子多層膜が
目的の膜厚にまで成長した時点で次に子構造として白金を蒸着した。その後この単分子
多層膜を取り除くことにより非常に均一なギャップが親構造と子構造の間に得られた。
FE-SEM観察により上記の単分子多層膜をレジストとして使用した際に、ナノスケールの
ギャップがナノ構造物の周りにも得られることが証明された。このギャップの大きさは
単に分子多層膜のレイヤー数を変更するだけで用意に制御可能である。しかも、従来の
電子ビームリソグラフィーよりも安価で、高い解像度でナノ構造が得られることが最大の
特徴である。近い将来この方法が電子デバイスやマイクロマシーンを構築する上で゙コロ蟐ヒ利用
されることが期待される。
(1) A. Hatzor and P. S. Weiss, Science 291, 1019 (2001).
(2) M. E. Anderson, R. K. Smith, Z. J. Donhauser, A. Hatzor, P. A. Lewis, L. P. Tan, H. Tanaka, M. W. Horn, and P. S. Weiss, J. Vac. Sci. Tech. B20, 2739-2744 (2002).

(注意)
ご来場の際は、学内の方は教職員証もしくは学生証をご持参いただきますよう
お願い申し上げます(入館の際必要です)。

第10回名取研オープンセミナー

講師:渡邉孝信 博士
   早稲田大学大学院理工学研究科ナノ理工学専攻 専任客員講師
日時:7月3日(木)15:00〜16:30
場所:図書館新館3階グループ学習室1(350号室)
題目:SiO2/Si界面の大規模モデリングとSi表面酸化過程のシミュレーション
概要:
本講演では,我々が開発したSi,O混在系用の原子間ポテンシャル,および
これによって可能となったSiO2/Si界面構造の大規模シミュレーションの
結果を紹介する.界面近傍約1nmの範囲にわたって存在する歪んだ構造遷移
領域や,酸化膜から観察されるX線回折ピークの再現に成功した例を示し,
これまで単なるアモルファス構造と考えられてきたSi酸化膜に元のSi結晶に
由来する秩序が残存しているという,この系に関する新たに得られた描像を
紹介する.更に,Si結晶表面の酸化が1原子層ずつ進行する現象を再現する,
最近の我々のモンテカルロシミュレーションの結果についても述べる.
(注意)
ご来場の際は、学内の方は教職員証もしくは学生証をご持参いただきますよう
お願い申し上げます(入館の際必要です)。


第9回名取研オープンセミナー

講師:尾身博雄 博士
   NTT 物性科学基礎研究所
日時:5月21日(水)15:00〜16:30
場所:西2ー513
題目:表面歪制御によるナノ構造形成
概要:
超微細化が進む半導体技術における「究極のナノ構造形成技術」とは一体どのようなものであろうか。我々は、シリコン系では以下の3つの要件を満たす必要がある、と考えている。
1. ナノ構造のサイズ、形、配置、密度が原子レベルで制御できる。
2. ウエハースケールでの集積化に適応できる。
3. 従来のデバイス作製プロセスが利用できる。
現在精力的に進められているナノスケールでの構造制御に加え、ウエハースケールからの視点も欠かせないのがこの究極技術の特徴である。このようにオングストロームからナノ、そしてセンチメートルへと非常に幅広い領域を研究の視野に入れた時、ボトムアップ型のアプローチ(自己組織化現象の制御)は依然魅力的な技術の一つである。このような背景のもと、我々は将来のシリコン系デバイスにおける「究極のナノ構造形成技術の確立」を目指し、「表面構造制御によるナノ構造の自己組織化」の研究に取り組んでいる。
本講演では、まずシリコン半導体技術の将来を展望しつつ、ウエハースケールで平坦なシリコン表面上で歪みを人工的に制御する手法を提案し、その有用性をゲルマニウムナノ構造形成および原子ステップの配列制御において実証する。さらに、これらを通じて、この「表面歪制御技術」が将来のシリコン系デバイス作製技術の「究極」となりうるのか、ということについて議論していきたい。
発表内容(予定)
1. はじめに
2. ナノ構造の自己組織化と表面構造制御
3. シリコン表面の局所歪制御の方法
4. 表面歪によるナノ構造の自己組織化制御
1) 原子ステップの配列制御と表面歪エネルギー
2) ゲルマニウムナノ構造の制御
5. まとめ
参考文献:
H.Omi et al.,
Phys. Rev. B 67, 115302 (2003),
Phys. Rev. B 66, 085303 (2002) ,
Phys. Rev. B 67, 035319 (2003),
Phys. Rev. Lett. 88, 256101 (2002),
Phys. Rev. B 66, 035301 (2002)
など


第8回名取研オープンセミナー

講師:Dr. Yoshihiro Gohda
   Researcher
   Dept. of Physics and Astronomy, Vanderbilt University, USA
日時:4月8日(火)15:00〜16:30
場所:西8号館602号室
題目:
Ab initio method for electron transport and its applications to field emission from nanostructures
概要:
Transport properties of nanostructures are of great importance in
the context of both science and technology. In the present study, a
new ab initio method based on the density functional theory
incorporating scattering states has been developed to analyze
electron transport without any adjustable parameters. This method
has been applied to the analyses of field electron emission from the
following nanostructures: atomically sharp Al(100) tips, Si(100)
surfaces, and aluminum-adsorbed Si(100) surfaces. Dominant
microscopic factors to improve the characteristics of field emission
from nanostructures have been clarified.
Y.Gohda et al. , Phys. Rev. Lett. 85, 1750 (2000); ibid 87, 177601 (2001)

2002年度 第7回名取研オープンセミナー

講師:西澤 正泰 博士
   産業技術総合研究所 次世代半導体センター 研究員
   (旧 電子技術総合研究所)
日時:12月12日(木)15:00〜16:00
場所:西8号館602号室
題目:Origin of type-C defects on the Si(100)-(2×1) surface
概要:
The generation processes of type-C defects on the Si(100)-(2×1)
surface have been systematically investigated by using scanning
tunneling microscopy and infrared absorption spectroscopy.
We show that the type-C defect is extrinsic, being caused by
bimolecular dissociative adsorption of H2O in the ultrahigh
vacuum environment. A structural model of the type-C defect
is proposed.


2002年度 第6回名取研オープンセミナー

講師:鈴木 勝 博士
   電気通信大学量子・物質工学科 助教授
日時:12月5日(木)15:00〜16:00
場所:西8号館602号室
題目:物理吸着膜のナノ摩擦
概要:
近年、原子スケールでの研究が注目されている。その
中で物理吸着膜と基板界面間の摩擦は、動摩擦におけ
るエネルギー散逸の素過程にアプローチできるとして
実験的にも理論的にも興味を持たれている。今回は、
まず始めに、物理吸着膜の摩擦研究でこれまでに行わ
れてきた研究の概要を説明する。その後、現在私たち
の研究室で行っているヘリウム吸着膜の界面摩擦の実
験を述べ、ヘリウム吸着膜の界面摩擦の特徴を述べる。



2002年度 第5回名取研オープンセミナー

講師:水柿 義直 博士
   電気通信大学電子工学科 助教授
日時:11月12日(火)11:00〜12:00
場所:西2号館513号室
題目:単一電子トンネリング効果のデバイス応用
概要:
 現在までの微細加工技術の進歩は、微小トンネル接合において発現する単一電子
トンネリング効果をデバイス応用にまで発展させ、"Single-Electronics"という電
子工学の一つの分野を生み出した。本講演では、単一電子トンネリング効果の基本
原理と幾つかのデバイス応用について、超伝導ジョセフソンデバイスとの双対性の
議論を交えながら紹介する。

2002年度 第4回名取研オープンセミナー

講師:江口豊明 博士
   東京大学物性研究所(長谷川幸雄研究室)助手
日時:10月17日(木)15:00〜16:00
場所:図書館新館3階グループ学習室1(350号室)
題目:走査プローブ顕微鏡法によるナノ物性評価
概要:
走査トンネル顕微鏡(STM)は、表面の局所状態を原子分解能かつ
実空間で観察できるだけでなく、原子操作や局所物性評価など多く
の用途に使用でき、今日の表面科学には欠かすことのできない手法
となっている。また、STMと同じ走査プローブ顕微鏡の一つである
原子間力顕微鏡(AFM)は、絶縁体試料であっても観察が可能で
あるため、その応用範囲はSTM以上に広いと期待されており、その
空間分解能もSTMと比肩しうるレベルに達している。本セミナー
では、超高真空低温磁場中STMならびに超高真空非接触AFMを用いた
我々の最近の研究について概説する。

(注意)

ご来場の際は、教職員証もしくは学生証をご持参いただきますよう
お願い申し上げます(入館の際必要です)。



2002年度 第3回名取研オープンセミナー

講師:佐々木成朗 博士
    科学技術振興事業団 若手個人研究推進事業(さきがけ研究21)
    東京大学大学院 工学系研究科
日時:5月15日(水)17:00〜18:00
場所:西2号館313号室
題目:ナノ構造の力学の物性論 - 力学的制御を目指して
概要:
ナノ構造の加工による新しい物性の発現・機能制御は、ナノテクノロジーの最
重要課題である。本講演では、走査プローブ法を使うナノ構造の力学的制御を
目指す理論研究について報告する。まず、(1)「走査プローブ探針の非線形動
力学の一般論」に触れてから、(2)「Si(111)√3×√3-Ag表面の非接触AFM 像
に現れる熱揺らぎの第一原理的研究」について述べ、 表面吸着銀原子の熱揺
らぎが探針で制御される事を示す。走査プローブ法を取り巻く、エネルギー散
逸、凝着の物理について議論する。密度汎関数法と非線形力学を駆使する方法
論についても述べる。


2002年度 第2回名取研オープンセミナー

講師:中村美道 博士
    科学技術振興事業団 戦略的基礎研究推進事業(CREST) 研究員
    東京大学大学院 工学系研究科
日時:5月15日(水)16:00〜17:00
場所:西2号館313号室
題目:揺らぐ表面系の構造秩序化:多段階転移のモンテカルロシミュレーション
概要:
室温付近で激しい構造揺らぎを示す系として、Si(001)とGe(001)表面が知ら
れている。最近、新たに、Si(111)√3X√3-Ag表面もこの顕著な例であるこ
とが示され、注目を集めている。これらの系の特徴は、無秩序からの秩序形成
である。興味深いことに、少数の表面欠陥が、ある配置で存在すると、温度低
下とともに「無秩序→秩序→無秩序→秩序」の変化が広範囲で起きることが、
モンテカルロシミュレーションにより示される。Si(111)√3X√3-Ag表面を
例にとり、多段階構造転移の様子を紹介する。


2002年度 第1回名取研インフォーマルセミナー

講師:大竹晃浩 博士
     独立行政法人
     物質材料研究機構ナノマテリアル研究所 研究員
     (旧科学技術庁金属材料技術研究所・無機材質研究所)
日時:4月17日(水)16:00〜
場所:西2号館313号室
題目:Atomic structures of the GaAs(001)-(2x4) surfaces under As fluxes
概要:
The α, β, and γ phases of the GaAs(001)-(2x4) surface have been studied
using rocking-curve analysis of reflection high-energy electron diffraction
(RHEED) and reflectance difference spectroscopy (RDS). We have measured
RHEED rocking curves and RD spectra from GaAs(001) under an As flux of 2.
5x10-7 Torr, and have identified the temperature ranges where each of the α
, β, and γ phases is stable. The (2x4) reconstruction was observed in
the range of 480~600 。C. The β phase, which is stable in the range of
510~550 。C, has the β2(2x4) structure, in good agreement with previous
experimental and theoretical results. The γ and α phases are stable
below 510 。C and above 550 。C, respectively. While the data from the γ
phase are well explained by the mixture of the β2(2x4) and c(4x4) phases,
we proposed that the α phase has the β2(2x4) structure, the atomic
coordinates of which are slightly different from those of the β phase.